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【投稿紹介】「おうこく足跡探訪」プロジェクト(受付終了)
2023.03.22

たくさんの投稿ありがとうございました!

昨年の特別展「木島櫻谷―山水夢中―」にあわせて実施した参加型プロジェクト「おうこく足跡探訪」では、木島櫻谷が日々出かけて描いた京都近郊の風景をみなさんといっしょに探しました。中間報告以降にもたくさんの投稿を寄せていただき、5エリア15枚の写生すべてについての情報を得ることができました。ご協力、まことにありがとうございました!

現在、みなさまからの情報をもとに「おうこく写生地マップ」とプロジェクト全体の報告書を作成中ですが(4月に公開予定)、それに先立って今回は、中間報告以降にいただいた投稿を一部抜粋してご紹介します!
(投稿者のご承諾のうえ掲載しています)

前回の中間報告はこちら
おうこく足跡探訪についてはこちら

加茂川3

2名の投稿をあわせてご紹介。おふたりとも、なかなか特定の難しい「加茂川エリア」に挑戦してくださいました。左側の投稿は、賀茂川・家屋・比叡山の奥行き感が写生の雰囲気をよくとらえています。比叡山のシルエットが中景に比べてうっすらと浮かび上がる様子も、櫻谷が稜線のみで描いた印象に通ずるものがありますね。一方で右側の投稿は、比叡山の手前の低山に注目して探訪くださいました。前後感がはっきりと見える距離感は、櫻谷の写生に近いものがあります。投稿者さんは櫻谷が生きた時代の地図を用いて区画整理を確認するなど、深い考察をもとに写生地を探してくださいました。

鞍馬1

次も2名の投稿をあわせてご紹介します。左側の投稿では、鞍馬川を右岸沿いに写生の風景を探してくださいました。川を見下ろす角度や右手前の木の様子が櫻谷の写生とよく似ています。右側の投稿は、写生とそっくりの橋を発見してくださいました。家屋が立ち並ぶ光景や遠景の山は写生と近い印象が残りますが、一方で象徴的な水車が姿を消していたり、ガードレールが設置されていたり、櫻谷が描いた風景からの時間の経過を感じます。

貴船

雪にかがやく貴船を探訪くださいました。木立の奥に見える山々の重なり具合を追求してくださったことがうかがえます。山と山のあいだにのぞく木立にまで着目し、貴船神社の鎮守の森と推定して撮影場所を特定していくアプローチには感服です。櫻谷の写生をつぶさに観察してくださったのでしょう。

鞍馬エリア

雪景色の鞍馬を撮影いただきました。櫻谷が描いた風景に思いを馳せながら、かわいい相棒さんたちと探訪を楽しんでおられる様子が伝わってきます。櫻谷もよく画塾の仲間や弟子とつれだってこの地を訪れました。

八瀬

暮れゆく八瀬の山麓を撮影いただきました。左上から右下にかけて山に影が落ちる様子が、櫻谷の写生にそっくりです。時間帯まで狙ってくださったのでしょうか。家屋の多くは当時からは建て替えられているようですが、ほかのエリアに比べて写生のころの姿かたちをかなり忠実に残しているように見えます。

大原2

雪の残る大原を探訪くださいました。遠景の山が右斜め上から奥のほうへ続いていく様子は、写生をそのまま現実へ移したかのようです。さらになんと、地元の方へききこみ調査をしてくださいました。それによると、写真左手の住宅は50年ほど前に建てられたもので、それまでは写生のように畑だったとのこと。櫻谷が見つめた風景を記憶にとどめている方がおられることに感動しました。

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投稿くださったみなさま、ご協力まことにありがとうございました!!
3月11日にはプロジェクトのフィナーレとして、みなさまからの調査報告をふまえて見つかった櫻谷の写生地と思われるスポットのなかから賀茂川に出向き、櫻谷のみた景色に思いを馳せながら写生してみるイベント「#おうこく足跡探訪 みんなで歩いて描いてみよう@賀茂川」を、晴天のなか開催することができました。ご参加くださったみなさま、どうもありがとうございました!

今後の「#おうこく足跡探訪」

4月には「おうこく写生地マップ」とプロジェクト全体をまとめた報告書を公開します。2023年6月3日~7月23日には、泉屋博古館東京に巡回する「特別展 木島櫻谷ー山水夢中」でも本プロジェクトを紹介予定です。

続報をお楽しみに!