展覧会東京・六本木
EXHIBITION
開催予定

住友財団助成による文化財修復成果
文化財よ、永遠に2025

2025.04.052025.05.18

今に伝わる文化財は、その時代の修復や保存技術によって守られ、長い間の劣化や天災による損傷をくぐり抜けてきました。しかし、さらに長い時に耐え、次代に文化財を継承していくことは容易ではありません。今回の特集展示では、公益財団法人住友財団が推進してきた文化財修復助成により蘇った狩野山雪《歴聖大儒像》(筑波大学附属図書館)と《十一面観音菩薩像》(ケルン東洋美術館)を紹介します。 現在、筑波大学附属図書館に所蔵されている狩野山雪《歴聖大儒像》は、寛永9年(1632)に朱子学派儒学者・林羅山の求めに応じて描かれました。本作は同時代の文献史料に恵まれ、発注者などの制作状況や今日に至る伝来が詳細に判明する点において極めて重要な文化財です。またケルン東洋美術館に所蔵されている《十一面観音菩薩像》は、細やかな截金文様が施された南北朝時代(14世紀)の制作と考えらえる長谷寺式十一面観音像の優品です。同作は近年、展示の利便性から額装へと改装されましたが、今回の修理では保存の観点から掛幅装に戻すことになりました。 本展ではこれら文化財の資料的価値を踏まえながら、絵画修理の意義とその成果について、修理道具や旧表装部材なども交えながら紹介します。

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開催中

企画展 ライトアップ木島櫻谷Ⅱ
―おうこくの線をさがしに 併設四季連作屏風

2025.04.052025.05.18

息を飲む、やがて溜息、櫻谷の線。 大正中期に大阪天王寺の茶臼山に建築された住友家本邸を飾るため、木島櫻谷によって描かれた「四季連作屏風」を全点公開し、櫻谷の絵画表現の特質をライトアップする展覧会シリーズ「ライトアップ木島櫻谷」の第2弾。 今回は特に、《かりくら》や《唐美人》をはじめとする櫻谷の人物画にスポットをあてるとともに、まさしく山のように遺された櫻谷の写生帖をいつもより増量して展示し、櫻谷の線描の妙を探訪します。 写生する線のスピード感と臨場感、本画には息の長い繊細な線からフリーハンドによる粗放ながら的確な線まで、それは息を飲むほど美しく、その大胆さには溜息をつくほどでしょう。 併せて、公益財団法人住友財団が推進してきた文化財維持・修復事業助成により蘇った作品から、14世紀に描かれた仏画《十一面観音菩薩像》と、狩野山雪の代表作《歴聖大儒像》を展示し、文化財修復の最前線を紹介します。

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企画展 死と再生の物語(ナラティヴ)
―中国古代の神話とデザイン

2025.06.072025.07.27

中国古代に生みだされた文様やモチーフの数々は、卓越したデザイン性を示すだけでなく、当時の人々の豊かなイマジネーションと、それを背後から支えていた神話世界や死生観を現代のわたしたちに伝えています。 本展覧会は、住友コレクションの青銅鏡を中心に、その世界観をわかりやすくご紹介するとともに、西王母や七夕の伝説を切り口として、日本の文化や美術に与えた影響についても掘り下げていきます。 あわせて、2021年・2023年に泉屋博古館(京都東山・鹿ヶ谷)で開催された「泉屋ビエンナーレ」出展作品の中から選りすぐりの作品を東京でご紹介します。

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特別展 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)
—現代マイセンの磁器芸術―

2025.08.302025.11.03

ヨーロッパを代表する名窯、マイセン。現在のドイツの古都、マイセンで18世紀に王立の磁器製作所として創業し、ヨーロッパ初の磁器焼成に成功しました。 日本においては初期のマイセン製品が特に人気を集めてきましたが、実は1960年頃からのいわゆる「現代マイセン」にも知られざる優れた製品が数多く存在しています。マイセンの培った高度な磁器作りの技術と、成型・デザイン・人形制作などの芸術家グループの豊かな才能が合わさり生み出された磁器は、極めて質が高く、まさに“磁器芸術”と言えるものです。 本展では《アラビアンナイト》《真夏の夜の夢(サマーナイト)》《ほら吹き男爵》などの現代マイセンを代表する物語(メルヘン)シリーズを生み出し、大変な親日家でもあった巨匠ハインツ・ヴェルナー(1928-2019)の名作を中心に、現代マイセンの美しき磁器芸術を紹介します。

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開催予定

企画展 もてなす美―能と茶のつどい

2025.11.222025.12.21

住友家歴代の当主たちは、教養として能楽や茶の湯などをたしなむとともに、自ら能や茶の会を主催し客人をもてなすことで、さまざまな交流関係を築いてきました。本展では、そうしたもてなしの場で用いるために集められた、能や茶にまつわるコレクションを紹介します。 能関係の諸道具は、多くが15代当主・住友吉左衞門友純(号・春翠)により集められたもので、そのコレクション形成には、能楽師・大西亮太郎が大きく寄与しました。また、大西は春翠の能の師であるばかりでなく、茶の湯の友としての顔も持ち、大正期に春翠が催した茶会に、大西はしばしば参加しています。残された茶会記には、その折々に用いられた道具類が記録されており、茶会を主催した春翠の美意識をうかがい知ることが出来ます。

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