展覧会東京・六本木
EXHIBITION
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企画展 もてなす美―能と茶のつどい

2025.11.222025.12.21

室町時代に観阿弥・世阿弥の父子によって大成された能は、江戸時代には幕府の式楽となって栄え、武士が身につける教養のひとつにもなりました。住友家でも九代当主・友聞ともひろ(1787-1853)が、能をとおして武家と交流していた記録が残ります。近代には十五代当主となった住友吉左衞門友純ともいと(号・春翠しゅんすい, 1864-1926)が能を好んだことから、住友家での招宴の際には余興として能が盛んに演じられるようになり、ときには春翠自身も舞や謡を披露しました。春翠はそのための能面や能装束、楽器類の収集にも力を入れていますが、そうしたコレクションの形成に大きく寄与したのが、春翠の能の師である能楽師・大西亮太郎(1866-1931)でした。 また、住友家では近世以来、饗応の一環として茶の湯を取り入れ、客人をもてなしてきました。春翠が催した茶会の記録には、しばしば大西亮太郎の名前が登場し、ふたりが茶の湯の友としても親しく交流していたようすがうかがえます。 本展ではこうした場でもちいられた諸道具を展示し、住友家におけるもてなしの美学を紹介します。

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特別展 生誕151年からの鹿子木孟郎 ―不倒の油画道

2026.01.172026.04.05

写実絵画をもういちど 近代の日本洋画に本格的な「写実」表現をもたらした鹿子木孟郎(かのこぎ・たけしろう、1874~1941)の生誕151年を契機として、その足跡をたどる特別展です。鹿子木は現在の岡山市に生まれ、はじめ天彩学舎や不同舎で洋画の基礎を学び、1900年に米国経由でフランスへ留学しました。1918年まで都合3度にわたって留学したパリではフランス・アカデミスムの巨匠ジャン=ポール・ローランスからフランス古典派絵画の写実の薫陶を受け、ルネ・メナールに接して象徴主義の表現を学びました。帰国後は、関西美術院や太平洋画会、文部省美術展覧会の中心的な画家として活躍し、近代日本洋画の発展に確かな足跡を残しました。 本展は10代の初期作品からローランスに学んだ渡欧作、帰国後の文展や太平洋画会、関西美術院や家塾での活動を紹介しつつ、日本洋画における写実の展開と継承について検証します。

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企画展 ライトアップ木島櫻谷Ⅲ
―おうこくの色をさがしに 併設四季連作屏風

2026.04.252026.07.05

近年再評価が進む日本画家・木島櫻谷(このしまおうこく、1877~1938)の絵画表現の特質をさぐる展覧会シリーズ。 パート3となる今回は櫻谷の色彩にスポットをあて、絵具などの資料とともに作品を紹介します。 併せて、公益財団法人住友財団による文化財維持・修復事業助成により蘇った作品を展示し、文化財修復の最前線を紹介します。

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特別展 没後100年記念 住友春翠
―仕合わせの住友近代美術コレクション

2026.08.292026.10.12

泉屋博古館のコレクションの礎を築いた住友家第15代当主・住友吉左衞門友純(号:春翠、1864–1926)の没後100年を記念し、ゆかりの作品を紹介します。 収蔵する日本画・洋画・工芸から、彼と同時代を生きた作家との交流をたどります。また春翠が関心を寄せた作品を通じてその審美眼を見つめ直し、さらに収集の背景や時代性といったコレクション形成史を再検討する機会とします。 

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特別展 唐物誕生
―茶の湯デザインの源流をさぐる(仮)

2026.11.032026.12.13

中世後期における茶の湯の形成のうえで大きな役割を果たした、いわゆる「唐物」の源流を、住友コレクションの代表的存在である中国の殷周青銅器に求め、3000年以上にわたる東アジア文化史の視点から茶の湯のデザインをとらえなおそうという展覧会。胡銅(古銅)と呼ばれる唐金製の花入に着目し、「名物」が誕生する過程を追いかけ、さらに絵画作品やその他の工芸品もあわせて展観し、唐物が飾られていた空間や美意識の変化にせまります。

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