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モンソー公園
- 作者
- クロード・モネ
- 時代
- 1876年
- サイズ
- 56.0 × 69.5㎝
- 材質技法
- 油彩・キャンバス
凱旋門の近く、パリ8区にあるモンソー公園を描いた作品。当時モネを支援していたパトロンの夫人と娘が画中に描かれている。1897年に欧米巡察旅行中であった春翠が、パリの画商・林忠正を介してモネから購入した作品で、日本にもたらされたモネの作品として最初期に位置づけられる。
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マルソー将軍の遺体の前の
オーストリアの参謀たち- 作者
- ジャン=ポール・ローランス
- 時代
- 1877年
- サイズ
- 210.0 × 300.0㎝
- 材質技法
- 油彩・キャンバス
19世紀後期を代表する歴史画家が描いた大作であり、サロン栄誉賞を受賞した作品。フランス革命で輝かしい武勲を立てたマルソー将軍の遺体を取り囲み、悲しみに暮れるオーストリア軍の参謀たちが描かれている。ローランスに直接学んだ洋画家・鹿子木孟郎が春翠の依頼を受けて購入した作品。
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幸ある朝
- 作者
- 藤島武二(ふじしまたけじ)
- 時代
- 明治41年(1908)
- サイズ
- 148.5 × 93.5㎝
- 材質技法
- 油彩・キャンバス
朝の清々しい空気のなかで、窓から差し込む日の光を受けて手紙を読む一人の乙女が描かれる。清澄な色彩を重ねて描かれた本作の画面は、喜びと幸福感に満ちている。本作は留学先のローマで描かれ、帰国後に完成させた作品で、第5回文部省美術展覧会に出品されて高い評価を受けた。
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二人麗子図(童女飾髪図)
- 作者
- 岸田劉生(きしだりゅうせい)
- 時代
- 大正11年(1922)
- サイズ
- 100.3 × 80.3㎝
- 材質技法
- 油彩・キャンバス
劉生最大級の作品であり、画家の愛娘を描いたシリーズのなかでも、同一人物を同じ画面のなかに描きこんだ奇想の作品。中国北宋の寒山拾得図や錦絵の髪梳き図から着想されたように、劉生の東洋趣味が息づき、画家が主張した「デロリの美」への到達を示す鵠沼時代後半の傑作。
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蔭
- 作者
- 北村四海(きたむらしかい)
- 時代
- 明治44年(1911)
- サイズ
- 49.0 × 44.0 × 34.0㎝
- 材質技法
- 彫刻・大理石
憂いを帯びた女性の横顔を巧みに捉えた作品。北村四海はフランスで彫刻を学び、日本に大理石彫刻を伝えた彫刻家。大理石の質感を活かして女性のなめらかな肌を表現しつつも、周囲の荒々しく削りだされた未完成の部分が好対照をなす佳作。
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深山猛虎図
- 作者
- 橋本雅邦(はしもとがほう)
- 時代
- 明治23年頃(ca.1890)
- サイズ
- 60.4 × 125.2㎝
- 材質技法
- 紙本墨画淡彩
木の葉が風に舞い、瀧が豪快に落水する深山の岸辺で、二頭の虎がひたすらに中空を見つめている。墨のグラデーションによって岩の立体感が示され、背景は墨の調子を弱めることで空間の広がりを感じさせる。光と空間表現の改良に取り組んだフェノロサ指導による鑑画会時代の意欲作。
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柳桜図
- 作者
- 木島櫻谷(このしまおうこく)
- 時代
- 大正6年(1917)
- サイズ
- 180.0 × 365.0㎝
- 材質技法
- 絹本金地着色
新緑の柳と満開の山桜を金地の大画面いっぱいに描いた作品で、画家が学んだ円山四条派由来の写生と琳派の装飾性の融合が達成されている。本作は住友家の依頼によって描かれた四季の連作屏風のひとつで、茶臼山本邸(大阪)で来賓の際に飾られた。
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菊花形藤花図壺
- 作者
- 初代宮川香山(しょだいみやがわこうざん)
- 時代
- 明治39年頃(ca.1906)
- サイズ
- 高 24.3 × 胴径 20.0㎝
釉下彩で描かれた藤、葉の緑、花の紫と白が地の薄緑色に映えて美しい色彩を見せている。また菊花形の器の形が美しく、平坦になりがちな絵画模様に変化を与えている。鮮やかな色彩、精巧な器形によって植物などを絵画的に表現した初代宮川香山を代表する作品。
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葆光彩磁珍果文花瓶
重要文化財- 作者
- 板谷波山(いたやはざん)
- 時代
- 大正6年(1917)
- サイズ
- 高 51.0 × 胴径 39.8㎝
板谷波山は明治から大正にかけて活躍した近代日本を代表する陶芸家。本作は「葆光釉」と名づけられた独自の釉薬を用いたもので、「光を包み込む」という意味のとおり、その柔らかく品のある色調が特徴的な作品。第57回日本美術協会展で最高賞(一等賞金牌)を受賞した波山の代表作。
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小井戸茶碗 銘六地蔵
- 時代
- 朝鮮時代(16世紀)
- サイズ
- 高 7.9 × 口径 13.7㎝
明るいびわ色が美しく、手にも収まりの良いやや小ぶりの井戸茶碗。高台周辺には変化に富んだカイラギがあり、小堀遠州に愛玩された高麗茶碗の代表作として知られる。京都伏見の六地蔵で入手したことが銘の由来とされる。オランダ東インド会社のVOCマークなどが織り出された紅毛裂の仕覆が付属する。
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唐物文琳茶入 銘若草
- 時代
- 南宋~元時代(13~14世紀)
- サイズ
- 高 6.4 × 胴径 6.2㎝
後陽成天皇ゆかりの唐物茶入であり、肩から銅へと緩やかに膨らむ豊かな造型が特徴。後陽成天皇が釉薬の景色から和歌「うすくこき野へのみとりのわか草に跡まてみゆる雪のむら消」を連想したことが銘の由来となった。南禅寺の名僧、本光国師(金地院崇伝)の所蔵であったことから「国師文琳」とも称される。
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白紫段海松貝入子菱繋唐花模様厚板
- 時代
- 江戸時代(18世紀)
- サイズ
- 丈 144.0 ・ 桁 71.5㎝
白と紫の染め分けの経糸で段を表わし、白の地には帆立、サザエ、蛤の貝類と海草をバランスよく配し、躍動的な海老を添えている。また紫の地には入子菱繋の上に2つの大きな唐花を織り表わしている。趣のある配色に加えて一部には金の摺箔を施すなど、重厚かつ華麗な作品。