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2025.04.26土2025.08.17日
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泉屋博古館(京都東山・鹿ヶ谷)
1970年大阪万博の年に完成した青銅器館。ふたたび大阪で万博が開催される2025年4月、京都本館のリニューアルオープンに合わせブロンズギャラリーも展示を刷新して皆さまをお迎えします。
4室からなる展示室の構成はそのままに、モダン建築の傑作が生みだす空間を活かしつつ、中国古代の超絶技巧が発揮された青銅器の魅力にさまざまな角度から迫る展示をお楽しみください。
【住友コレクション 名品大集合】
いまから約3000年前、日本ではちょうど縄文時代が終わりにさしかかるころ、中国大陸では殷や周といった古代王朝が栄え、高度に発達した鋳造技術によって青銅器の数々がつくられていました。中国青銅器のもっとも大きな特徴は、儀礼用の容器が発達した点にあり、古代の超絶技巧によって、実用性と装飾性を兼ね備えた複雑な造形の青銅器が生み出されました。ギャラリー1は、住友コレクションの中国青銅器のなかでも選りすぐりの名品を一堂に会し、古代中国の世界へといざなうイントロダクションとなって います。
【青銅器の種類と用途】
殷周時代の青銅器は普段使いの日用品ではなく、王侯貴族たちが祖先の神々をまつるために用いた聖なる「おもてなし」の道具でした。そのため、青銅器にはかなり詳細な用途が決まっており、実際にそうした用途で使うための機能性がそなわっているのが大きな特徴となっています。ギャラリー2では、青銅器の種類と用途を大きく食器・酒器・水器・楽器に分けてご紹介し、当時の人々がどのように青銅器を使っていたのかを想像できるよう展示を工夫しています。
【文様モチーフの謎】
具体的な用途がありながら、そうした機能とは相反するような複雑怪奇な造形を見せる殷周青銅器。ギャラリー3では殷周青銅器の文様・モチーフに焦点を当て、その魅力に迫ります。祖先をまつる聖なる器である殷周青銅器には、その表面を覆い尽くすようにさまざまな文様があらわされ、なかにはトラやミミズク、ウシなどの動物モチーフも数多く登場します。そうした文様が何を意味していたのかについては多くの謎がありますが、丁寧な解説とともに、劇的な造形の背後にある当時の人々の思想や信仰の世界を探っていきます。
【東アジアへの広がり】
祭政一致の殷周時代が終わり、秦漢帝国が形成されると、祭祀儀礼に用いられた青銅製の容器の製作は衰退しますが、代わって青銅鏡が数多くつくられるようになり、日本列島を含む東アジア世 界へともたらされました。ギャラリー4では中国青銅器の影響力が東アジアへと広がる過程に注目し、日本列島でつくられた青銅器もあわせてご紹介します。
(1)泉屋博古館のシンボル、青銅器館が約半世紀ぶりのリニューアル。昭和のモダン建築の魅力はそのままに、展示ケースや内装を新調、より美しく、より見やすく生まれ変わりました。
(2)いまから3000年前の中国、太古の奇想と超絶技巧によってあらわされた青銅器の数々。“かっこいい”から“かわいい”まで目白押しの造形美は、まさに「東洋美術最後の秘境」といっても過言ではありません。
(3)はじめて中国青銅器に触れる初心者にも安心のイントロダクションを付し、さらに中国青銅器を深く知りたい中~上級者も納得の充実した解説を掲示。中国古代の世界にどっぷりと浸れる空間です。
(4)新たに「泉屋博古の庭」と東山の景色を眺めることのできるビュースポットが登場。濃密な鑑賞のあとは、緑豊かな自然の風景で心休まるひと時を。
(5)リニューアルオープンにあわせて、中国青銅器の名品選を刊行予定。さらには待望の青銅器グッズも各種取り揃え、みなさまのご来館をお待ちしております。