終了
泉屋博古館創立50周年記念 住友コレクションの日本美術
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2010.10.23土2010.12.05日
- 開催場所
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泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)
春から始まった創立50周年記念展の最後を飾るのは、住友家が蒐集した日本美術の名品です。当初、館蔵品は中国青銅器のみでスタートしましたが、昭和60年に茶道具、平成6年には絵画書跡、香道具や刀装具など、日本の美術工芸が加わり、その幅は飛躍的に広がりました。なかには伊藤若冲の《海棠目白図》のように、従来知られていなかったものも多く、受贈以来、調査が終了した分野から順次公開してまいりました。本展では、それらの中から特に優れた作品を選び、国宝1件、重文4件を含む約40点を一挙展観いたします。
コレクションでは、唐物を中心とする小堀遠州や松平不昧など近世数寄者ゆかりの茶道具に加え、平安の古筆や中世水墨画など茶席にふさわしい瀟洒な掛物も趣を添えます。また、広くもてなしの場を飾ったであろう晴れやかな近世の花鳥画や祭礼図の大作、あるいは余暇の心を慰めた愛らしい蒔絵や金工の小品も見られます。多くが京都を中心に生み出されたことも特徴といえるでしょう。
これらは明治以降に住友家に入ったものが大半ですが、華美に走らない清雅な雰囲気はコレクションすべてに通じ、江戸時代以来、京都、大坂を拠点としてきた住友家に受け継がれてきた精神文化の一端がうかがえるでしょう。知られざる住友コレクションの新たな顔、日本美術を概観できるまたとないこの機会を、ぜひお見逃しのないようご案内いたします。