終了
住友コレクション 中国中近世の青銅芸術
開催期間
2008.03.152008.04.20
開催場所
泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)

青銅器は、中国において新石器時代末から近代に至るまで、非常に長い間製作され続けました。なかでも、とくに商周時代(前17世紀~前221年)に製作された祭祀・儀礼用の器と秦漢時代(前221年~220年)に大流行しました鏡が重要な地位を占めています。このうち青銅祭器は単なる祭祀具としてだけではなく、権威を象徴するものとして大切に扱われました。また鏡は単なる姿見ではなく、所有者の様々な願望をかなえる道具として重視されました。このような青銅器は唐時代には調度品として扱われるようになり、時代が下るにしたがって実用具としての性格を強めていきます。

しかし、一方で商周青銅祭器を中心とする古代青銅器を尊重する風潮も盛んでした。とくに宋時代には博古学の発達によって古銅器研究がすすみ、古代青銅器を収集するだけでなく、実物も製作するようになります。それらは単なるコピーにとどまらず、実用性を持ったなかに、商周青銅器の意匠を採り入れた独自の金属工芸品として高く評価されています。そのうちのいくつかは花器を中心として、日本にもたらされ、近世の華道、茶道の流行とともに重宝として賞玩され、今日に伝えられています。

今回の展示では、常設の中国古代青銅器陳列とリンクさせることにより、これまで華道、茶道の道具として展示されることが多かった中国中近世の青銅器を、中国青銅工芸史全体のなかで紹介いたします。

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