終了
住友コレクションの明清書画
- 開催期間
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2015.05.23土2015.07.12日
- 開催場所
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泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)
伝統と革新-明から清へ
住友家から寄贈された中国絵画・書跡のうち、明から清の時代に焦点をあてます。宮廷から民間へと伝統的な書画が広がりをみせた明時代。やがて新興都市を舞台に、一歩踏み出した独特の表現が次々にうまれます。王朝交替期をへた清時代には、王道の正統派から強烈な個性派まで、史上まれに見る幅広い表現が花ひらきました。なかでも異彩を放つのが明末清初の激動期に生きた八大山人、石濤、石渓らで、強烈な自我と繊細な感性が生みだした彼らの優品が住友コレクションの核となっています。筆跡と余白が織りなす造形の豊かさ、そして作者の思想や息づかいまで感じさせる魅力が明清の文人や画家の書画にはあります。壮麗な花鳥画から神秘的な山水画、自由奔放な書まで、多様性の時代―明清の書画をお楽しみください。
おすすめの一点・・・・八大山人「鱖魚図」《安晩帖》より
「これを見ないでは京都にいる甲斐がないというもの」(「松岡正剛の千夜千冊1093夜」)とも言われる八大山人の《安晩帖》。明の王族だった彼は清軍から逃れ出家するも、数十年後に突然発狂、のちに書画三昧の日々を過ごしたといいます。その奇矯ともいえる魚や鳥には、時に過酷な運命への悲憤や清への反発が重ね合わされます。しかし、とぼけた表情や大胆な余白など、晩年に到達した「純粋に造形を楽しむ境地」をみるようでもあります。観る人の数だけ解釈がある、それが《安晩帖》が輝きつづける理由でしょうか。