終了
住友コレクションの中国絵画
開催期間
2011.09.032011.10.23
開催場所
泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)

明治から昭和にかけて 、住友家の内外には中国絵画に魅せられた三人の人物がいました。健康に恵まれず生涯思索の日々を送った美術収集家の住友寛一(1896ー1956)。その父で財閥当主の住友春翠こと15代住友吉左衞門(1864ー1926)。そして春翠の青銅器収集の助言者でもあった東洋史学者内藤湖南(18666ー1934)。彼らは豊饒な中国絵画の世界にそれぞれの視点でアプローチし、個性的なコレクションを遺します。

寛一が深く共感したのが明から清の王朝交代の乱世に生きた遺民画家です。伝統にとらわれない自由な画風、精神を映し出すかのような繊細な筆致は、西洋絵画に親しんだ寛一の目に鮮烈に映り、類のない優品が彼のもとに集まりました。一方、春翠が好んだのは明の文人画や宋代の宮廷画の流れを汲む作品など、日本の近世以前の煎茶や茶の湯の伝統的美意識にかなう穏雅な作品でした。また、湖南は清朝において正統とされた絵画を日本に紹介しましたが、自身の手元には学術資料的なものや当時の日中の文人の交流をしのばせる作品が置かれたようです。

これら三人ゆかりの中国絵画が集まり、今日の住友コレクションは奥行深いものとなりました。本展ではそれぞれの収集品を紹介し、彼らが中国絵画に何を求め、交感したかを、呉昌碩、西園寺公望、桑名鉄城、岸田劉生らゆかりの人々の資料もまじえ探ります。
(国宝1点、重文4点を含む約40点。会期中一部展示替します。)

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