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ガンダーラの美術とシルクロードの絵画
開催期間
2012.03.172012.05.20
開催場所
泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)

パキスタン西北部のガンダーラでは、2~3世紀に独自の仏像や菩薩像が盛んに造られ、また多くの神々も仏教美術として造形化されました。そしてその美術は、シルクロードを通って日本にまで伝わりました。まさにガンダーラは、仏像のふるさとともいえる地です。本展では、このガンダーラ美術作品でも、日本画家の故平山郁夫氏と当館名誉館長の樋口隆康のコレクションを中心に展示します。

平山郁夫氏は、シルクロードに仏教東遷の跡を辿って、魅力的な絵画を多数遺しましたが、それ以外でもシルクロード美術の保存と蒐集に尽力するなど、その活動は多岐にわたっています。一方、樋口隆康は、京都大学の学術調査隊隊長として、ガンダーラの仏教寺院遺跡やアフガニスタンのバーミヤーン石窟の本格的な学術調査を実施し、仏教美術の源流研究に大きな足跡を残しました。

平山郁夫氏は、樋口が調査中の1974年にバーミヤーン石窟を訪れ、この時から二人の交流が深まりました。歩く道は違えど、シルクロードに魅せられた点では完全に一致していた二人は、調査や対談等を通して、シルクロード美術の普及に努めました。今日、ガンダーラをはじめとするシルクロードの文化がよく知られるようになったのは、この二人の活動によるところが極めて大きいといえます。

今回の展示では、樋口が、豊富な海外調査の折に集めたコレクションを初公開するとともに、平山氏が蒐集されたガンダーラ美術の名品もお借りして、仏像のふるさとであるガンダーラ美術の全貌をご紹介するものです。さらに、平山郁夫氏の絵画作品も展示して、壮大な東西交渉の諸相、そしてガンダーラ及びシルクロード美術の普及と研究に尽くした平山郁夫、樋口隆康両氏の業績もご紹介いたします。

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