青銅器館
BRONZEWARE
1展示室

青銅器名品選

いにしえの造形美

世界有数の住友コレクションの中国青銅器から、厳選された名品をご紹介いたします。奇抜で斬新なデザインから、重厚さと優美さを感じさせる造形、さらには動物をかたどった可愛らしいものまで、古代の技術の粋を集めた名品の数々をお楽しみください。

  • 夔神鼓

    きじんこ
    時代
    商後期
    通高
    82.0㎝
    重量
    71.1kg

    鰐皮を両面に張った太鼓の形状をした器で、上には奇怪な顔をした二羽の鳥の飾りがつく。『山海経』によると、夔は牛のような姿をし、角のない一本足の獣で、その皮を張って太鼓を作ると、敲いた音は五百里先まで届いたという。当時実際に楽器として使用したかどうかは不明。内側は中空で厚みは約1~5㎜と、非常に薄手の鋳造となっており、当時の高度な技術を今に伝えている。

  • 象文兕觥

    ぞうもんじこう
    時代
    商後期
    通高
    22.3㎝
    重量
    1.83㎏

    兕觥とは儀式の際に酒や水を注ぐために用いられた器とされ、カレーのルーを入れる容器に似た胴部に、獣の姿をかたどった蓋、やや大ぶりの把手がつく。器全体が様々な獣の文様に覆われており、胴部には大きく饕餮、その上にはゾウやウサギ、蓋の上には夔龍、ゾウ、鳥、把手には大きな角と羽をもつ獣が表される。繊細な造形もさることながら、隠れたモチーフを探す愉しみも味わえる逸品。

  • 饕餮文方罍

    とうてつもんほうらい
    時代
    商後期
    通高
    62.5㎝
    重量
    19.0㎏

    罍は酒を貯めておくための器で、ここから銘々に酒を酌みだしていたとされる。いかり肩の左右に二つの把手、肩部と下腹部の正面には獣の頭部をかたどった犠首がつき、屋根のような形状の蓋をもつ。雄偉な造りの器全体は饕餮文、夔龍文などの精緻な文様に覆われ、青銅器の造形のもつ厳しさと優美さの両面をよく伝える。

  • 虎鎛

    こはく
    時代
    西周前期
    通高
    43.9㎝
    重量
    14.1㎏

    商周時代に作られた釣り鐘の一種で、楕円形の断面をもち装飾的な鰭がつくのを特徴とする。器には大きく饕餮文が表され、左右につく鰭はトラをかたどっているため、この名で呼ばれている。トラのモチーフは長江流域で製作されていた青銅器に多く見られ、本器の類品が湖北省随州市で出土している。商周時代の青銅器製作の多彩な展開を物語る貴重な遺品。