明治時代における西洋文化の到来は、絵画を鑑賞する場に地殻変動をもたらしました。特に西洋に倣った展覧会制度の導入は、床の間や座敷を「棲み家」とした日本絵画を展覧会場へと住み替えさせました。その結果、巨大で濃彩な作品が増えるなど、日本絵画は新しい「家」にふさわしい絵画表現へと大きくシフトしていきます。このような時代のなかで集められた泉屋の日本画は、むしろ邸宅を飾るために描かれたもので、来客を迎えるための屏風や床映えする掛軸など、展覧会を舞台とする「展覧会芸術」とは逆行する「柔和な」性質と「吉祥的」内容を備えています。
本展では、かつて住友の邸宅を飾った日本画とその取り合わせを再現的に展観し、床の間や座敷を飾る日本画の魅力を館蔵品から紹介します。また現代の作家が「床の間芸術」をテーマに描いた作品もあわせて展示し、いまの「床の間芸術」とは何かを考えます。
主な展示品
インフォメーション
- 展覧会名
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特別企画展 日本画の棲み家
- 会期
- 2023年11月2日(木)~ 12月17日(日)
- 休館日
- 月曜日
- 開館時間
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午前11時 ~ 午後6時(入館は午後5時30分まで)
*金曜日は午後7時まで開館(入館は午後6時30分まで) - 会場
- 泉屋博古館東京(東京・六本木)
- イベント
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*予約制のイベントは、10月26日(木)正午より
ホームページにて受付開始(先着順)
*参加にはすべて入館券が必要です
*都合により内容を変更する場合があります
〈アートWith〉レクチャー
「表装と文化財―「選定保存技術」入門」
11月10日(金)17時30分~18時30分
講師:中野慎之氏
(文化庁文化財第一課絵画部門 文化財調査官)
定員:50名(予約制)
聴講料:500円(入館料別)
記念講演会
「家出した日本画に、失墜した床(トコ)
―その封建的性格から不要論が聞こえ出すまで」
11月18日(土)14時00分~15時30分
講師:本橋 仁 氏
(金沢21世紀美術館レジストラー)
定員:50名(予約制)
記念講演会
「江戸時代住友家の「道具」―床の間の飾り物」
12月2日(土)14時00分~15時00分
講師:海原 亮 氏(住友史料館主席研究員)
定員:50名(予約制)
座談会「床の間芸術を考える」
12月10日(日)14時00分~15時30分
登壇者:小林明日香氏、澁澤星氏、水津達大氏
菅原道朝氏、長澤耕平氏、松平莉奈氏
(以上、出品作家)
椎野晃史(当館主任学芸員)
定員:40名(予約制)
スライドトーク
*12月9日の回は開催中止となりました。
ご了承ください
11月25日、12月9日(各土)
各回とも14時00分~15時00分
講師:椎野晃史(当館主任学芸員)
定員:50名(予約不要・当日11時より整理券配布)
- 主催
- 公益財団法人泉屋博古館、日本経済新聞社
- 入館料
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一般1,000円 高大生600円 中学生以下無料
- 20名以上は団体割引料金(一般800円、高大生500円)
障がい者手帳ご呈示の方は無料
- 20名以上は団体割引料金(一般800円、高大生500円)
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