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花鳥礼讃 ―日本・中国のかたちと心
開催期間
2007.08.042007.09.24
開催場所
泉屋博古館分館

四季のうつろいの中に植物や鳥獣を描く花鳥画は、東洋絵画の大きな一角を占めてきました。日本では近世にいたりじつに多様な展開をみせ、中世以来の伝統を受け継ぐ狩野派、優れたデザイン感覚を発揮した琳派、自由な筆づかいで本質にせまる文人画家、また徹底した観察から独自の写実表現に到達した画家などが輩出します。これら豊かな表現の背後には、博物学的関心、詩歌にも詠われた花鳥風月、長寿や子孫繁栄などの願い(吉祥)などがかいま見え、江戸時代の人々の花鳥に寄せる思いが伝わってくるようです。
本展は住友コレクションより江戸時代に京や江戸で活躍した画家の花鳥画を紹介します。伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)、呉春(ごしゅん)、椿(つばき)椿山(ちんざん)などすでに知られた優品のほか、近年のコレクション調査で存在が明らかになった京画壇の作品は多くが東京初公開となります。

さらに、江戸時代の画家に刺激を与え表現の源となった中国の花鳥画、ことに長崎に滞在した沈南蘋(しんなんぴん)の代表作をはじめ、近世日本でも珍重された明清時代の重厚で装飾的な作品をあわせて展示します。日本と中国の花鳥画約35点が一堂に並ぶ本展では、中国画との対比も見所のひとつでしょう。

造化の美への感動、絶えることない自然の営みへの礼讃―花鳥画の根底に流れる人々の思いに、心を重ねるひとときをお過ごしください。

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