終了
秋季特別展「幻の京焼 京都瓢池園」
- 開催期間
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2009.10.24土2009.12.13日
- 開催場所
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泉屋博古館分館
京都瓢池園は、日本の近代陶芸の大立者 河原徳立と実業家の廣瀬満正(住友家初代総理事廣瀬宰平の長男)の尽力によって、明治40年から大正9年にかけて制作され流通したやきものです。
河原徳立は、明治6年(1873 )東京深川で東京瓢池園を設立し、海外輸出用の絵付陶磁器で高い評価を得ましたが、明治33年(1900 )のパリ万国博覧会で日本陶磁器のデザインの立ち後れを痛切に感じ取り、心機一転その改良を目指して京都瓢池園(京都製陶所瓢池園)を設立しました。日本の伝統的工芸産地である京都で、新しい日本の陶磁器を作ることを目的とした京都瓢池園は、志を同じくする京都の芸術家達とも深く関わりをもち、また「ふくべ焼」の名で京焼の一つとしても流通いたしました。しかしその活動期間が非常に短かったために、現在では幻の京焼とも言われています。
本展覧会では、廣瀬家ゆかりの京都廣誠院に所蔵される、京都瓢池園の多種多様な作品を紹介いたします。それらは100年後の現在でも新鮮に映るデザインの作品や、伝統的な日本陶磁器や中国陶磁器に範をとったものなど、豊かなバリエーションを見せてくれます。また同時代に瓢池園とともに京都で陶磁器の図案改良を目指した遊陶園の清水六兵衛や宮永東山や画家・浅井忠らとの関連作品、さらには河原徳立がパリ万博で求めたフランスの大鉢や東京瓢池園時代の陶額なども併せて展示して、明治後期から大正初期の陶芸界の新たな試みを紹介する予定です。
工芸が大きな変革期を迎えた時代に、新しい日本のやきものの創造を目指した京都瓢池園、本展覧会は地元京都でその全貌を紹介する、初めての機会となります。