終了
分館開館記念 泉屋博古館名品展 第Ⅰ部 青銅器と中国絵画
開催期間
2002.10.252003.02.02
開催場所
泉屋博古館分館

2002年秋、泉屋博古館分館が港区六本木1丁目に開館いたします。
住友家の旧蔵品を蒐蔵する財団法人泉屋博古館(京都市左京区鹿ヶ谷下宮ノ前町24)は、昭和35年の開館以来、京都にて展観を行なってきましたが、この度、東京に分館を解説し、東京、関東近県、さらには海外の美術愛好者の方々にも所蔵品を公開させていただくこととなりました。

ここで泉屋博古館の所蔵品の特質を述べますと、まず、住友コレクションとして世界的に知られている中国古代青銅器を挙げねばなりません。住友家第15代家長の住友吉左衞門友純(雅号:春翠)が約30年に亘って蒐集した作品がその基幹と成っていますが、先代となる第16代家長の住友吉左衞門友成に係わる蒐集品も注目されます。
中国の古代青銅器、中でも商・周時代の青銅器は、工芸品としての質の高さ、内容の豊富さにおいて世界に冠たるものがあります。当館のコレクションは、質量ともに第一級である上、各時代に亘って古代青銅器の変遷を系統的に理解できる内容であることは、大変貴重であります。

所蔵品の第2の特色は、中国絵画のコレクションです。特に八大山人、石濤等を代表とする明末清初の遺民画家の手になる優品は、白眉といってよく、八大山人「安晩帖」、石濤「黄山八勝画冊」「廬山観瀑図」「黄山図巻」(全て重要文化財)は、世界的に知られた神品、と評価されており、他には、伝閻次平「秋夜牧牛図」(国宝・南宋時代)などの優品があります。
上記の分野以外では、鎌倉・室町・江戸時代の日本絵画、近代の日本画および洋画、さらに古筆などが含まれ、住友家家長の美意識が看取される名品が多く、また、工芸品は、内容の豊富さを誇り、仏教美術、文房具、香道具などの他、茶道具にも優品があるとともに、板谷波山を中心とする近代の陶磁器、その中には、先ほど近代の陶磁器としては初めて重要文化財の指定を受けた「葆光彩磁珍果文花瓶」も含まれ、見逃せません。

泉屋博古館分館の活動は、上記した多岐に亘る所蔵品の特性を生かしたテーマ展示、譬えば、青銅器展、中国絵画展、近世美術展、近代美術展、茶道具展などの展観を春季展・秋季展として開催することにより、その特色を示す所存です。

さて、注目される泉屋博古館分館の開館第一弾展は、コレクションの中核となります青銅器と中国絵画によって構成することといたしました。これらの作品が東京においてこのように纏まった形で公開されることは、初めてのことですので大いにご期待いただけるものと確信いたしております。"

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